銀河英雄伝説のお気に入り名言(迷言?)集 (7)怒濤篇
銀河英雄伝説でのお気に入りの名言と迷言集、今回は第7巻、怒濤篇です。
予に居城など必要ない。予のあるところがすなわち銀河帝国の王城だ。当分は戦艦ブリュンヒルトが玉座のおきどころとなろう
誰かに命令され、誰かに従属して生きるほうが楽なのだ。それこそが、専制政治を、全体主義を人々がうけいれる精神的な土壌なのだった。
ヤン・ウェンリーはなにかと欠点の多い男ですが、何者も非難しえない美点をひとつもっています。それは、民主国家の軍隊が存在する意義は民間人の生命をまもることにある、という建前を本気で信じこんでいて、しかもそれを一度ならず実行しているということです
唯一絶対の神に唯一絶対の大義名分をおしつけられるより、群小の人間がそれぞれのせまい愚劣な大義名分をふりかざして傷つけあっているほうが、はるかにましだ。すべての色を集めれば黒一色に化するだけであり、無秩序な多彩は純一の無彩にまさる。人類社会が単一の政体によって統合される必然性などないのだ。
おれたちは伊達や酔狂でこういう革命戦争をやっているんだからな
師に忠実すぎる弟子が師をしのぐことはありえない
民主主義とは対等の友人をつくる思想であって、主従をつくる思想ではないからだ
たぶん人間は自分で考えているよりもはるかに卑劣なことができるのだと思います。平和で順境にあれば、そんな自分自身を再発見せずにすむのでしょうけど
陰謀やテロリズムでは、けっきょくのところ歴史の流れを逆行させることはできない。だが、停滞させることはできる。
ユリアン、吾々は軍人だ。そして民主共和政体とは、しばしば銃口から生まれる。軍事力は民主政治を産みおとしながら、その功績を誇ることは許されない。それは不公正なことではない。なぜなら民主主義とは力をもった者の自制にこそ真髄があるからだ。強者の自制を法律と機構によって制度化したのが民主主義なのだ。そして軍隊が自制しなければ、誰にも自制の必要などない
自分たち自身を基本的には否定する政治体制のために戦う。その矛盾した構造を、民主主義の軍隊は受容しなくてはならない。軍隊が政府に要求してよいのは、せいぜい年金と有給休暇をよこせ、というくらいさ。つまり労働者としての権利。それ以上はけっして許されない
怒濤篇の見どころもたくさんありますが、やはり手に汗握るのはイゼルローン要塞再奪取です。
「健康と美容のために、食後に一杯の紅茶」
「ロシアン・ティーを一杯。ジャムではなくママレードでもなく蜂蜜で」
何気ないキーワードがあんな重要な意味を持っているとは。
確かに事前にさんざんペテンだと言われているだけあって分かってしまえばあっけないですが、それでも数年後の為に、本当に使う機会がくるかその時点では定かではない時点で、絶妙な作戦を仕込んでいるところが流石ですね。