銀河英雄伝説のお気に入り名言(迷言?)集 (2)野望篇

銀河英雄伝説でのお気に入りの名言と迷言集、今回は第2巻、野望篇です。

ヤン・ウェンリー

善行をする者はひとりでやりたがり、愚行をおこなう者は仲間をほしがる

アントン・フェルナー

忠誠心というものは、その価値を理解できる人物にたいしてささげられるものでしょう。人を見る目のない主君に忠誠をつくすなど、宝石を泥のなかへ放りこむようなもの。社会にとっての損失だとお考えになりませんか

解説

救国だの愛国だの憂国だのといったごたいそうな語句に、彼(注:ヤン・ウェンリー)は美や誠実さを感じることができない。そんな台詞を大声で恥ずかしげもなく言いたてる連中にかぎって、安全な場所でぬくぬくと安楽な生活を送っているのは、どういうわけだろう。

アレクサンドル・ビュコック

人類が地上を這いまわっていたころから、今日にいたるまで、暴力でルールを破るような者を紳士とは呼ばんのだよ。そう呼んでほしければ、せっかく手にいれた権力だ、失わないうちにあたらしい辞書でも作らせることだな

解説

決断をしたくないときにしなくてもよいものなら、人生はバラ色の光につつまれるだろう。そうはいかないのが人生の味なのだ

ワルター・フォン・シェーンコップ

あなたほど戦争の愚劣さを嫌っている人間はいませんが、同時にあなたほどの戦争の名人はいない。そうでしょう?

解説

戦術とは、戦場において勝利をえるために兵をうごかす技術である。戦略とは、戦術をもっとも有効に生かすための条件をととのえる技術である。

解説

逃げても恥にならない相手というものは、たしかに存在するのである。それをわきまえないのは、無謀か、さもなくば低能というものだ。

ヤン・ウェンリー

もうすぐ戦いがはじまる。ろくでもない戦いだが、それだけに勝たなくては意味がない。勝つための計算はしてあるから、無理をせず、気楽にやってくれ。かかっているものは、たかだか国家の存亡だ。個人の自由と権利にくらべれば、たいした価値のあるものじゃない……それでは、みんな、そろそろはじめるとしようか

解説

本人はそれと気づかないだろうが、自身をもっとも偉大で無謬の存在であると信じているため、他人に感謝することができず、自分とことなる考えの所有者を認めることもできないのだ。彼とことなる考えをもつ者は反逆者にしか見えず、忠告は誹謗としか聴こえない。

解説

特権をもつ者は、それをもたない人々の全存在、全人格を容易に否定することができる。

ボリス・コーネフ

宗教一般についていえば、貧乏人が神の公正さを信じるなんて、ひどい矛盾だと思います。神が不公正だから、貧乏人がいるんでしょう

ボリス・コーネフ

神なんてしろものを考えだした人間は、歴史上最大のペテン師ですよ。その構想力と商才だけは見あげたものです。古代から近代にいたるまで、どこの国でも金持ちといえば貴族と地主と寺院だったじゃありませんか

ヤン・ウェンリー

人間は誰でも身の安全をはかるものだ。この私だって、もっと責任のかるい立場にいれば、形勢の有利なほうに味方しよう、と思ったかもしれない。まして他人なら、なおさらのことさ

解説

人間の歴史に、”絶対善と絶対悪の戦い”などなかった。あるのは、主観的な善と主観的な善とのあらそいであり、正義の信念と正義の信念との相克である。一方的な侵略戦争の場合ですら、侵略する側は自分こそ正義だと信じているものだ。戦争が絶えないのはそれゆえである。人間が神と正義を信じているかぎり、あらそいはなくなるはずがない。

ヤン・ウェンリー

信念で勝てるのなら、これほど楽なことはない。誰だって勝ちたいんだから

解説

信念とは願望の強力なものにすぎず、なんら客観的な根拠をもつものではない。それが強まれば強まるほど、視野はせまくなり、正確な判断や洞察が不可能になる。

解説

軍事的ハードウェアに平和の維持をたよるのは、硬直した軍国主義者の悪夢の産物でしかなく、思考のレベルで言えば、幼児向きの立体TVアクション・ドラマとことならない。

ヤン・ウェンリー

専制とはどういうことだ? 市民からえらばれない為政者が、権力と暴力によって市民の自由をうばい、支配しようとすることだろう。それはつまり、ハイネセンにおいて現に貴官たちがやっていることだ

ヤン・ウェンリー

政治の腐敗とは、政治家が賄賂をとることじゃない。それは個人の腐敗であるにすぎない。政治家が賄賂をとってもそれを批判することができない状態を、政治の腐敗というんだ。貴官たちは言論の統制を布告した、それだけでも、貴官たちが帝国の専制政治や同盟の現在の政治を非難する資格はなかったと思わないか

解説

権力はそれを獲得した手段によってではなく、それをいかに行使したかによって正当化される

ヤン・ウェンリー

なにをあわてている。世の中には、あわてたり叫んだりするにたるようなものは、なにひとつないぞ

野望篇は銀河帝国ではキルヒアイスが亡くなったり、自由惑星同盟では救国軍事会議がクーデターを起こしたりと、驚きの連続でした。

特にキルヒアイスはこんなに序盤で亡くなるとは思っていなかったので、原作者を恨んだものです。

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