銀河英雄伝説のお気に入り名言(迷言?)集 (4)策謀篇

銀河英雄伝説でのお気に入りの名言と迷言集、今回は第4巻、策謀篇です。

パウル・フォン・オーベルシュタイン

人類の歴史がはじまって以来、敵だけでなく味方の大量の屍体のうえにこそ、すべての英雄は玉座をきずいてきたのです。白い手の王者など存在しませんし、部下たる者もそれは承知しております。ときには死をあたえることが忠誠に酬いる道となることもあるのだ、と、お考えいただきたいものです

解説

恩を売り、こちらの立場を強化するには、相手が窮地にたったとき救助の手をさしのべることである。順境にある相手に恩着せがましく接近したところで、歓迎されるはずがない。冷笑のあげく無視されるならまだしものこと、こちらの下心を見すかされるはめになっては、将来に禍根を残すことになるではないか。

解説

盗賊に三種類ある、とは、誰が言ったことであっただろうか。暴力によって盗む者、知恵によって盗む者、権力と法によって盗む者。

ワルター・フォン・シェーンコップ

なるほど、言論の自由は思想の自由よりテリトリーが狭いというわけですか。自由惑星同盟の自由とは、どちらに由来するのですかな

ホワン・ルイ

独裁者という名のカクテルをつくるには、たくさんのエッセンスが必要でね。独善的でもいいからゆるぎない信念と使命感、自己の正義を最大限に表現する能力、敵対者を自己の敵ではなく正義の敵とみなす主観の強さ、そういったものだが、あんたにもそのあたりはわかるだろう、レベロ

解説

腐敗した民主政治と清潔な独裁政治のいずれをとるか、これは人類社会におけるもっとも解答困難な命題であるかもしれない。

解説

絶対的な善と完全な悪が存在する、という考えは、おそらく人間の精神をかぎりなく荒廃させるだろう。自分が善であり、対立者が悪だとみなしたとき、そこには協調も思いやりも生まれない。自分を優越化し、相手を敗北させ支配しようとする欲望が正当化されるだけだ。

解説

人間は、自分が悪であるという認識にたえられるほど強くはない。人間がもっとも強く、もっとも残酷に、もっとも無慈悲になりうるのは、自分の正しさを確信したときだ。

解説

人間のなしうる最良の選択は、視野に映る多くの事象を比較対照して、よりましと思われるほうに身をおくことしかない。

ヤン・ウェンリー

どれほど非現実的な人間でも、本気で不老不死を信じたりはしないのに、こと国家となると、永遠にして不滅のものだと思いこんでいるあほうな奴らがけっこう多いのは不思議なことだと思わないか

解説

人類の文明が生んだ最悪の病は、国家にたいする信仰だろう、と、ヤンは思う。だが、国家とは、人間の集団が生きていくうえで、たがいの補完関係を効率よくすすめるための道具であるにすぎない。道具に人間が支配されるのは愚かしいことだ。いや、正確には、その道具のあやつりかたを心得ている極少数の人間によって、大多数の人間が支配されるのだろう。

解説

軍事が政治の不毛をおぎなうことはできない。それは歴史上の事実であり、政治の水準において劣悪な国家が最終的な軍事的成功をおさめた例はない。

解説

過去を美化することは、遠ざかる女性の後ろ姿だけを見て美女と決めつけるにひとしい

解説

自分の不得意な面で他人の知恵を借りることを恥じるような種類の偏狭さとは、ヤンは無縁であった。だが、根本は、ヤンが父親からうけついだ哲学のあらわれであったろう。それは、〝自分でコントロールできる範囲の金銭は、一定の自由を保障する〟というものだった。

ラインハルト・フォン・ローエングラム

同盟の奴らがそう思いこむのは勝手だが、奴らと幻想を共有する義務はないのだ。

アレクサンドル・ビュコック

民主制共和国が、軍人の権限を制限するのは正しい、と、わしは思う。軍人は戦場以外で権力や権限をふるうべきではない。また、軍隊が政府や社会の批判をうけずに肥大化し、国家のなかの国家と化するようでは、民主政治は健全でありえんだろう

ラインハルト・フォン・ローエングラム

行こうか、キルヒアイス、おれとお前の宇宙を手にいれるために

策謀篇は最後のラインハルトのセリフのためにすべてが進むような巻ですね。

前半こそ善悪論や国家とは?みたいなやり取りを交えながら静かに進んでいくものの、後半は神々の黄昏(ラグナロック)によって一気にフェザーンが制圧・占領されます。

果たしてフェザーン駐在中のユリアンは無事に脱出できるのか?

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