銀河英雄伝説のお気に入り名言(迷言?)集 (6)飛翔篇

銀河英雄伝説でのお気に入りの名言と迷言集、今回は第6巻、飛翔篇です。

解説

”軍隊とは一国内における最強の暴力組織である”という命題は、近代以降の歴史を知る者にとって、いわば恐怖の常識である。

解説

こうしてシリウスは地球にとって公認の敵国となった。それは制御可能の敵であり、地球がひとたび実力を誇示すれば、ひざを屈して慈悲を請う以外の選択をあたえられない、あわれな悪役であるはずだった。

解説

特定宗教にたいする狂信ほど、それと無縁な人間の反発と嫌悪をそそるものはない。

解説

新皇帝ラインハルトがその強力な政治力によって宇宙に平和と繁栄を招来し、維持させたとき、人々が政治を他人まかせにすることに慣れ、市民ではなく臣民となってしまうのが、ヤンにとってはたえられない気分なのだ。

ヤン・ウェンリー

専制君主の善政というものは、人間の政治意識にとってもっとも甘美な麻薬ではないだろうか

ヤン・ウェンリー

権力は制限され、批判され、監視されるべきである。ゆえに専制政治より民主政治のほうが本質的に正しいのだ。 

解説

なにかをなそうとするときには、思考停止が必要なようだった。多くは、人が”信念”と呼ぶものである。

ヤン・ウェンリー

信念とは、あやまちや愚行を正当化するための化粧であるにすぎない。化粧が厚いほど、その下の顔はみにくい

ヤン・ウェンリー

信念のために人を殺すのは、金銭のために人を殺すより下等なことである。なぜなら、金銭は万人に共通の価値を有するが、信念の価値は当人にしか通用しないからである

ヤン・ウェンリー

忘れるということは、当人にとって重要でない、ということだ。世の中には、いやでも憶えていることと、忘れてかまわないことしかない。だからメモなんていらない

ボリス・コーネフ

そもそも宗教というのは、権力者にとっては便利なものさ。人民のあじわうすべての不幸が、政治制度や権力悪のためではなくて、彼ら自身の不信心のせいだと思いこませれば、彼らは革命をおこそうなどと考えないだろうからな

ユリアン・ミンツ

宗教組織が権力を欲するのは絶対に否定されねばならない。それは人間の外面のみならず内面をも支配する、最悪の全体主義となるだろう。価値観の多様さとか、好みの個人差とかは排され、唯一絶対の存在をうけいれることだけが、人間に許される知的活動になるだろう。そして事実は、神の代理人と自称する人物が、無制限の権力をふるって、”神を信じぬ者”たちを殺してまわるだろう。

オスカー・フォン・ロイエンタール

この世でもっとも醜悪で卑劣なことはな、実力も才能もないくせに相続によって政治権力を手にすることだ。それにくらべれば、簒奪は一万倍もましな行為だ。すくなくとも、権力を手にいれるための努力はしているし、本来、それが自分のものでないことも知っているのだからな

パウル・フォン・オーベルシュタイン

道を切りひらく者とそれを舗装する者とが同一人であらねばならぬこともなかろう

ヤン・ウェンリー

法にしたがうのは市民として当然のことだ。だが、国家がみずからさだめた法に背いて個人の権利を侵そうとしたとき、それに盲従するのは市民としてはむしろ罪悪だ。なぜなら民主国家の市民には、国家のおかす罪や誤謬にたいして異議を申したて、批判し、抵抗する権利と義務があるからだよ

解説

不当な待遇や権力者の不正をうけいれ、それに抵抗しない者は、奴隷であって市民ではなかった。自分自身の正当な権利が侵害されたときにすら闘いえない者が、他人の権利のために闘いうるはずがない。

解説

”戦略とは状況をつくる技術。戦術とは状況を利用する技術”

ワルター・フォン・シェーンコップ

だが、けっきょくのところ、あなたたち権力者はいつでも切り捨てるがわに立つ。手足を切りとるのは、たしかに痛いでしょう。ですが、切り捨てられる手足からみれば、けっきょくのところどんな涙も自己陶酔にすぎませんよ。自分は国のため私情を殺して筋をとおした、自分はなんとかわいそうで、しかもりっぱな男なんだ、というわけですな。”泣いて馬謖を斬る”か、ふん。自分が犠牲にならずにすむなら、いくらだってうれし涙がでようってものでしょうな

ロックウェル

生きるために戦う者など必要ない。疑問や反発などいだかず命令のままに喜んで死んでいく精神的家畜こそ、国家と軍隊にとって有為の人材というべきではないか。重要なのは民主主義をまもることではない。民主国家をまもることだというのに。

飛翔編は地球篇・・・かと思うような序章から始まり、ラインハルト暗殺未遂を経て地球教の存在が大きなものになっていきます。

一方、退役してのんびり余生を過ごすはずだったヤンも、味方であるはずの同盟政府による謀殺の危機に陥り、自分の考えが『甘かった』ことを認めます。

そして叛乱部隊・・・と呼ばれる家出息子の集団は当座の課題を数多く抱えながら、ついにハイネセンから脱出。休暇は終わります。

ミスター・レンネンの問題とかね。

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