画像データが消えたSDカードを復元アプリを使って復旧・復活させた話。

ある日、奥さんからメールがきました。
「日頃お世話になっている人がデジカメのSDカードの画像が消えたと大騒ぎしている。うちの旦那はオタクだから直せるかもしれませんよと言って預かってきた。直してちょうだい。」
なんて勝手なことを言うんだこの野郎!!!
と思っちゃいますよね。
まあ、復旧経験はあるし奥さんには頭が上がらないのでやってはみますけど・・・
業者に頼むと高いですしね。
そうです。今回は自分のSDカードじゃなくて他人のSDカードの復旧なのです。
SDカードの復旧と言うのは正式にメーカーから保証されているサービスで無い限り、直ろうが直るまいが、完全に壊れようが自己責任です。
ただ、自分の所有物ならそれで話は早いのですが、他人の物を直すとなると以下のような問題も出てきます。
- 完全に壊れた場合の物理的な補償問題。
- 全ての画像を復旧できないこともあると言うことの説明。
- 一時的に他人のデータを自分のストレージに保存することによる個人情報の問題。
- 実は本人が意図的に削除していた(恥ずかしい写真とか)まで復元してしまう可能性のあるプライバシー的な問題。
1、3はまあ信用のある人同士ならちゃんと説明すれば通じますね。
2は意外とめんどくさいんです。復旧の仕組みを知らない人はたいてい「直るか直らないか」としか考えていません。部分的に直らないこともあると言う説明がめんどくさいんですね。
で、自分は幸い経験がありませんが、4はお互いダメージがデカいので事前にそれとなく伝えておくことが必要です。「自分で消去したデータも復活しちゃうことがあるけど、大丈夫?(意味深)」みたいに。
さて、じゃあ復旧してみます。
預かった患者さんは16GB、class10のSDHCカード。メーカーはSuperTalent(スーパータレント)です。
安さで有名なので存在は知っていましたが、自分は使ったこと無いメーカーです。
アプリで読み出す前に、まず最初に絶対やっておくことがあります。
それはSDカード側面のロックを有効にすることです。
ロックしておくとそのSDカードは読み取り専用になるため、誤って書き込んでデータ破損してしまうと言う悲しい事故を防ぐことができます。
絶対にロックはかけておきましょう。
自分はデータ復旧アプリは「Zero Assumption Recovery」を使用しています。
このアプリは有料アプリではあるものの、イメージ(画像)データの復旧については無料で行うことができます。
サポートしているイメージ形式は
- GIF
- JPEG
- TIFF
- CRW (Canon RAW data)
- MOV
- AVI movie
- WAV
- CR2 (Canon CR2 RAW format)
- ORF (Olympus RAW format)
などがあります。デジカメ用ならこのアプリで十分なので愛用してます。
ZAR 9.2のリンクからダウンロードして使う感じになります。(※2021年6月現在のバージョンはZAR X Build 2080となっています)
使い方もわりと簡単です。
まず起動したらImage Recovery (Free)のボタンをクリックします。

すると、ドライブの一覧が表示されるので、復旧したいSDカードを選択して「Next」をクリックします。

すると、SDカードの読み込みが始まります。
元々のデータ量とは関係なく、全てのセクタをスキャンするのでそれなりに時間がかかります。

全セクタ読み終わると、復旧できる(可能性のある)一覧が表示されます。
ファイル名は元のものとは関係のない連番になってしまうので気をつけましょう。

以下、プライバシー的なアレもあり画像は略しますが、復旧対象のイメージリストからイメージを選択して、復旧ボタンを押すと復旧出来ます。
詳細な説明は公式にもありますので、参考にしてみてください。(英語ですが)
とりあえず今回は、約200ファイル中190ファイル、95%を救出することができました。
それを別のUSBメモリに保存してから相手に返却しました。
喜んでもらえたようなのでなによりですが、めでたく俺はオタク認定されたそうです。
不本意・・・
まあそれは置いといて、
業者のサイトを見ると、個人での復旧のリスクも色々と書いてありますが、あれは基本的にロック忘れによるものだと思いますね。
ただ、自分で直せる直せないの見極めが難しいのは確かですので、どうしても自信がない人は業者に頼むのもアリかとは思います。
あちらは業者ですから、今回みたいに1種類だけじゃなくて色んなアルゴリズムの復元アプリを使って試してくるので、復元率も個人でやるよりは高くなるのでは無いかと思います。恐らく。
業者は(特にカメラ屋とかでやってるサービスは)高いので、こまめにバックアップを取るようにしましょう。